経絡とは?その歴史とKOU流の見解

古代中国の医学から生まれた「経絡(けいらく)」は、身体にあるツボを結んでいくと縦に線が現れます。気・血・水がこの縦に結ばれたラインをスムーズに流れることで、身体のバランスが保たれて健康を維持する事が出来ます。ここでは、経絡とは一体何なのか、その歴史についてなどを紹介させて頂きます。

経絡とは

経絡の考え方の1つに人間の体内には、健康や命を維持するために必要なものが流れている通り道があるとされています。この通り道は当然ながら、CTやレントゲンで見る事は出来ません。身体にある重要なツボを縦に結んでいく線が経絡であり、全身の臓腑を相互に接続しているものが12本と、督脈と任脈を合わせると合計で14本あります。経絡は全身に網目のように分布しているという特徴があります。
気というのは、活気や元気などの生命活動をする上で根本となるものであり、原動力となります。水というのは、血液以外の水分の事で、汗や涙などを指します。皮膚や粘膜などを潤す効果が期待できるもので、内臓を守るのに欠かせません。そして血は血液の事であり、身体全体に酸素や栄養を運ぶのに欠かせない役割を持っています。血液は、気の巡りが良くなることで血液循環もスムーズに行われます。

経絡と陰陽五行説

陰陽五行説は風水の所でも紹介させて頂きましたが、心臓・肺・肝臓・脾臓(胃腸)・腎臓と人間の身体を機能させるために重要となる5つの内臓も、グループに分けて考える事が出来ます。陰陽五行説に当てはめると、5つの内臓は「五臓」と呼ばれ、お互いに助ける役割がある「相性」もあれば、抑制し合ってしまう「相克」もあります。
心臓「心」は、血液循環の機能を司っています。気血の流れは、人間が持つ精神状態と密接な関係があるとも言われており、心臓は小腸と経絡を通じて裏表の関係があります。
肺は、呼吸器系の機能を司り、感染症などに掛からないための免疫機能を持っています。その他にも体温調節機能や体液代謝機能も持っている臓器です。肺が不調を起こすと、鼻や喉に影響が出やすくなります。肺は大腸と裏表の関係にありますので、お互いに影響しあっています。
肝臓「肝」は、新陳代謝のコントロールや、情緒安定などの自律神経に関与しています。肝臓の機能が低下すると、イライラしがちになったり不眠になるなどの不調が身体に現れやすくなります。肝臓は胆のうと裏表の関係にありますので、お互いに影響しあっています。
脾臓「脾」は、消化器系の機能や、血液循環のコントロールなどを司っています。全身の筋肉・血管を養う効果や消化・吸収などに欠かせません。脾臓は弱って機能が低下してしまいますと、口内炎や味覚異常などの症状が出る事があります。また、脾臓と胃は経絡上では表と裏の関係にあります。
腎臓「腎」は、生命エネルギーの脾臓庫とも言われており、全身の成長や発育促進に関係する機能を持っています。生殖機能を司っているので、排卵や精子などの妊娠に深い関係のある器官です。腎臓の機能が低下すると、女性の場合などは更年期障害などに注意が必要です。腎臓と膀胱は裏表の関係にある事から、互いに影響し合っています。

身体が不調になるメカニズム

私たちの身体は、スムーズに気が全身に流れていれば健康の状態にありますが、何かしらの原因により、気の流れが悪くなってしまうと疲労を感じるようになります。少しくらいの疲労であれば、直ぐに改善をする事も出来るでしょう。しかし、気が滞った状態をそのままにしておくことで、邪気(不調のもと)となってしまい、軽度の不調を引き起こすようになります。
この邪気と呼ばれる不調は、どんどんと身体の奥へと入っていきますと疲労が増してしまい、改善しにくくなり重度の不調を引き起こしてしまうのです。重度の不調は、身体全体の気の流れを悪くして、次第に改善する事が難しい程の心身機能の低下を引き起こしてしまいます。
経絡の流れを解りやすくイメージするために、頭の中に川の流れを想像してみましょう。身体の中を流れる気を川だと例えますと、キレイに流れている状態であれば汚れませんし腐る事はありません。但し、この川が何らかの原因で澱んでしまったり、川の水が少なくなってしまいますと、あっという間に川は濁ってしまいます。これが身体の不調へと繋がるのです。川の澱みというのは、血液であったりリンパであったりと、様々なエネルギーが関係しています。
そして経絡に何らかの滞りがあるような状態は、川に大きな岩が置かれてしまっているような状態であると想像すればイメージしやすいのではないでしょうか。川の流れがせき止められることで、気の巡りが悪くなってしまいます。つまり、経絡の巡りをしっかりと整えるという事は、健康状態を保つ上で欠かせないという事です。

リンパとは

リンパには、大きく分けて浄化機能と免疫機能の2つの役割があります。免役機能は、細菌やウイルスが身体の中に入って来た時に、体外に排泄する機能の事であり、私たち人間には無くてはならない大切な役割の1つです。リンパの流れが悪くなると、老廃物や身体に溜まった水分が上手く排泄されないため、身体がむくみやすくなるという特徴があります。
次に浄化機能とは、酸素や栄養分を運んで、身体の中にある老廃物などを回収する機能の事です。リンパは身体の中を一方通行で流れていますので、リンパ液によって運ばれていく老廃物は各リンパ節を通っていく段階で色んな臓器を経由していき、尿や汗となって体外へと排出されていくという特徴があります。
リンパは身体全体を巡っているため、一部分だけをケアしても効果を実感する事は出来ません。運動不足の状態や筋肉がこり固まっている状態は、リンパの流れが悪くなる原因の1つとして挙げられますので、日々の小まめなマッサージや運動は健康的な身体を手に入れるためにも重要な事だと言えます。

経絡とリンパの違いと経絡リンパマッサージ

経絡は東洋医学の考えであり、気・血・水の3つのエネルギーの通り道であると考えられています。経絡が滞る事無く流れている事で、最も健康な状態だと言えます。一方でリンパというのは、西洋医学に基づいた考え方になります。リンパは全身を静脈に沿って巡っているものであり、身体の中に溜まっている老廃物や要らない水分を回収するという役割があります。
リンパは太ももの付け根や鎖骨、わきの下などにあるリンパ節を通り、そこで汚れたリンパを浄化するという役割があります。このリンパの流れが悪い状態ですと、老廃物や要らない水分が身体の中に溜まった状態になり、身体のむくみや筋肉のコリなどの症状が現れてしまいます。
リンパマッサージには、身体の中に溜まっている老廃物を排出するという役割がありますが、それに更に経絡を合わせる事で、全身のエネルギーをしっかりと巡らせて、健康な身体を作り上げる事が出来るようになります。経絡リンパマッサージは、単にリンパの流れを良くするだけではなく、内臓の調子も整うようになりますので、身体の内側からしっかりとアプローチをかけて健康になる事が出来るでしょう。

経絡治療とは

鍼灸医学は今から約3000年も昔から中国であり、日本に伝わって来たのは6世紀後半頃だと言われています。日本人の体質や風土に合わせて確立された経絡治療は、その後に発展していったものです。
鍼灸治療は大きく分けて、東洋医学の考えを基づいた経絡治療と、西洋医学の考えを基づいた電気針や刺激針を使用した治療の2つがあります。西洋医学の考えである電気針や刺激針は、血液循環の治療や刺激理念の基礎とも言われており、灸は熱くするための道具であり、鍼は刺激を与えるものであるため、より高い効果を求めるのであれば大きい灸や鍼を用いるという風に考える事が出来ます。
私たちが普段鍼灸治療と聞くと、この電気針や灸などを想像する人が多いのではないでしょうか。経絡治療では鍼をもちろん使用しますが、目的が刺激を与えるためではなく気を動かすための道具として考えられています。問診や触診、視診などを通して実際に患者の様子を診て、総合的に診断をして治療方針を立てていきます。
そして鍼を使って気の巡りを整える事で、人間が本来持っている自然治癒力を取り戻す手助けを行い、病気の改善に役立てます。そのため鍼灸は病気の予防や健康に対して優れた力があると言えるでしょう。邪気が形となって病気になる前に、気の巡りが弱っている所を補う事で、病気に掛かりにくくなる身体を作り上げたり、また病気に既に掛かっていたとしても、それを軽く抑える事が出来るようになります。
経絡治療では、病気が形になる前の疲れが取れない、元気が出ない、食欲が無いといった身体の不調のサインが重要となります。いくら検査を行っても病気が見つからないという症状を診るのが東洋医学の考え方であり、決して鍼灸治療は肩こりや腰痛、運動器系の痛みの治療だけでは無いという事を知っておきましょう。

ツボは民間療法ではない

肩や首などが凝り固まって辛い時に、何も考えずにグリグリと指を使ってツボを刺激してはいませんか。押すと気持ち良いとされている箇所の事を「ツボ」と言いますが、これって民間療法なんかでは無いんですよ。実はツボは、世界的にも効果があると認められている漢方医学の1つなんです。
東洋医学ではツボの事を「経穴」と言います。古代中国に考えられた陰陽五行説に取り入れられており、これがツボの成り立ちとも言われています。経穴は、エネルギーが身体の内側と外側を通る中継地点であり、経穴がエネルギーの注がれる大切な場所であると考えられています。
WHOでは361個全身にツボがあるとしており、その中でも関節の膨らんでいる部分や筋と骨の間、そして筋と筋の間筋と腱の間などに多く存在しているとしています。私たちが普段ツボと聞くと、そこから連想されるのは足ツボや耳ツボだと思いますが、実は足ツボの起源は東洋医学とは異なります。
耳ツボもダイエットブームの中で人気が高まりましたが、東洋医学から考えられたものとフランスで生まれたものの2つの種類があるんです。古代中国から伝わる医学書に「皇帝内経」というものがあります。これによりますと、経絡のいくつかは耳にエネルギーが流れ込んでしまうため、耳のツボを刺激する事で筋肉や内臓の異常に反映されるとしているんです。

ツボと陰陽五行説

陰陽思想では、陰が減少すれば陽が充実して、陰が充実すれば陽が減少する、陽なくして陰なし、陰なくして陽なしという法則が成り立つと考えられ、お互いが存在する事で己が存在するという相互依存関係という考えがあります。
西洋医学の考えでは、何か身体の不調があって病院に行くと病名や診断名を特定して、それに注目してしまいがちですが、東洋医学では身体の不調は陰と陽のバランスが崩れてしまっている状態であり、五行のサイクルも乱れているという考え方になるため、不調の個所ではなく、まずは全身の状態がどうなっているのかというのを考える事に重視しています。
陰陽五行の乱れによる身体の不調は、主に外因・内因・不内外因の3つに分ける事が出来ます。外因とは、乾燥や暑さ・寒さといった気候が原因による不調です。内因とは、自分の感情が急激に変化をした時や、長時間同じ感情が続いた時に陰陽五行のバランスが崩れてしまう事で起こる不調です。現代社会ではストレスが内因として挙げられ、ストレス状態が長く続くことで、様々な症状の原因を引き起こすとも言われています。
不内外因とは、外因にも内因にも当てはまらない事が原因で起こる身体の不調の事であり、食生活が乱れている状態であったり、身体が疲れ切っている状態などが挙げられます。

おわりに

私たちは普段、ツボを刺激したりマッサージをする時に、今行っている行為が東洋医学であると考えながら行う人は少ないと思います。ですが、経絡や陰陽五行説、リンパをきちんと頭で理解して、気の巡りの事を考えながら行えば日常生活でも充実する事が出来るでしょう。身体が不調を訴える時に、突然症状が出るという事は無く、不調になる前に何らかのサインが必ず出ています。このサインを見逃さないで適切に対処すれば、心身ともに健康な毎日をおくる事が出来るでしょう。

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